国際秩序軽視のロシア、力まかせの侵略戦争阻止を ヨーロッパ総局長

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ヨーロッパ総局長・国末憲人

(視点)ヨーロッパ総局長・国末憲人

 ロシアによるウクライナへの攻撃が始まった。これは、欧州の一角で起きた一紛争にとどまらない。主権の尊重や国際法順守などの原則に基づく国際秩序を揺るがしかねない暴挙だ。大小の主権国家が共存する知恵として培われたルールが、これを機にむしばまれ、力まかせの攻撃や侵略がまかり通る世界に移る恐れも、考えなければならない。

あからさまな侵略

 米国とソ連が対立した冷戦は1989年に終結し、2年後にソ連は崩壊した。力の均衡が崩れる中で、共存の枠組みとして定着したのが、現在の国際秩序だ。

 そこでは、ソ連なきあとに1強となった米国でさえ、必ずしも好き勝手には振る舞えなかった。このルール自体が、自由や民主主義といった米国の理念と結びついており、米国自身が世界に広めようとしてきたからだ。

 2003年に単独行動でイラク戦争に走った際も、米国は国際社会の意向を完全に無視はできなかった。コンセンサスを得ようと苦心の外交を繰り広げ、開戦後は自らの立場の弁明に追われた。

 何よりロシアも、こうした秩…

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