藤井聡太竜王、10代で五冠達成 正確な指し手は「初めての生き物」

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村瀬信也
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 将棋の藤井聡太竜王(19)=王位・叡王・棋聖と合わせ四冠=が史上最年少で五冠を成し遂げた。名人と棋王と合わせ三冠の渡辺明王将(37)との頂上決戦だったが、改めて藤井竜王の強さが際立つ結果となった。他の棋士たちが驚く斬新な構想を見せる場面もあり、さらなる進化を印象づけるシリーズとなった。

 東京都立川市で11、12の両日に指された第71期王将戦七番勝負第4局は、36手目まで両者が戦った昨年の棋聖戦第3局と同じ進行をたどった。渡辺前王将がその対局とは別の進行を選んだが的確に対応した藤井竜王が勝ち、対戦成績4勝0敗でタイトルを奪取した。

 終局直後、藤井竜王は「(1日目夕の)封じ手のあたりは自信がなかった。歴史のあるタイトルなので取れてうれしい」、渡辺前王将は「(3連敗でタイトル奪取に失敗した昨年の棋聖戦に続き)またストレートで負けてしまった。もうちょっと何とかしたかった」と話した。

 19歳6カ月での五冠は史上最年少記録。記者会見で藤井竜王は「過去に五冠となられた方は時代を築いた棋士ばかり。光栄に思う。立場に見合った実力が足りない。今後実力をつける必要がある」と話した。

 両者がタイトル戦で顔を合わせたのは3回目だが、2日制は初めて。スコアは一方的になったが、第1局と第3局は終盤まで接戦だった。渡辺前王将の戦いぶりについて、第3局で立会人を務めた深浦康市九段(49)はこう分析する。

 「藤井さんの直線的な読みが…

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