第一白川橋梁の架け替え記念切符12日発売 南阿蘇鉄道
城戸康秀
熊本地震で被災して部分運行が続いている第三セクター南阿蘇鉄道(熊本県高森町)は、新橋の架け替え工事が進む第一白川橋梁(きょうりょう、南阿蘇村)の架設着手を記念して12日、台紙つき記念切符を発売する。
第一白川橋梁は立野峡谷に架かる全長約166メートルの橋で、1927(昭和2)年にできた。白川の川面からレールまで約60メートルもの高さがあり、車窓からの絶景と緑の峡谷に映える赤茶色のアーチ橋は、南阿蘇鉄道の一番の見どころだった。
切り立った岩壁にあった橋は2016年4月の熊本地震で橋全体がゆがみ、鋼材が変形するなどした。昨年4月末には本体の撤去が完了。橋台など基礎部分を補強・改修して今年1月から旧橋と同じ構造の新橋を架ける工事が始まった。
記念切符は1日フリー切符で、23年夏に予定される全線復旧の前日まで、現在運行中の高森―中松駅間で利用できる。
旧国鉄時代に高額券などに使われたD型硬券(縦30ミリ×横88ミリ)で、券面には「被災橋梁→新・第一白川橋梁」「熊本地震→全線復旧」の文字が刻まれている。販売されるのは1890枚で、すべて並べると橋の長さと同じになるという。
販売開始は12日午前9時。価格は高森駅窓口で1千円、オンラインショップでは送料込みの1180円。問い合わせは高森駅(0967・62・0058)へ。