京急「パタパタ」引退へ 昔は木製、いまLED 試行錯誤の列車表示

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藤野隆晃
【動画】惜しむファン続々 京急「パタパタ」引退へ=藤野隆晃撮影
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 パタパタパタパタ。フラップと呼ばれる板が小気味よく回転し、ぴたりと止まる。駅ホームで列車の行き先や時刻を表示する「発車標」。いまはLED方式などが主流となり、フラップ式は全国的にも希少になった。その一つがまた姿を消すと聞き、現場に向かった。

 5日午前0時45分、京急川崎駅川崎市川崎区)。終電が発車した後のホームには、20人の鉄道ファンが集まっていた。撤去を前に「パタパタ」を楽しんでもらおうと、京急が企画したナイトツアーの参加者だ。

 いつもは正確に行き先や時刻を刻むが、この日は希望に応じて普段はない行き先や種別の組み合わせをサービスで表示し、パタパタでビンゴも楽しんだ。参加者は写真や動画を撮りながら別れを惜しんだ。

 「『機械』という感じが好きだったので寂しい」。ツアーに参加した横浜市青葉区の会社員、山口龍喜さん(33)は幼いころ、横浜駅でパタパタを眺めるために電車を数本見送ったことをよく覚えている。撤去と聞き「ついに来たかと。今後は保存や展示をしてもらえたら」と話した。

 京急は1986年、京急川崎駅に初めてパタパタを導入。最大10駅ほどに広がった。いま京急川崎駅で使われているのは2001年に更新されたもの。98年にはLED式も導入されたが、当時のLEDは表示できる情報量が少なく、更新して使うことにした。

 ただ、面倒なのは駅名の変更…

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