デジタルアートの「盗品」横行 急拡大NFT市場で奪われる「本物」

有料記事

女屋泰之 中島嘉克

 デジタル上のデータやアート作品などに「本物」であるとの証明書を付けて売買する「NFT(エヌエフティー)」市場が急速に拡大している。ところが、ネット上にある第三者のアート作品などを無断でコピーした「盗品」を出品する事例が相次いでいる。著作権の侵害につながるほか、購入者が泣き寝入りするケースも多いとみられ、対策が急がれている。

 昨年の新語・流行語大賞にノミネートもされ知名度が高まったNFTは、「非代替性トークン」などと訳される。ブロックチェーン(分散型台帳)の技術を使い、偽造や複製が困難な「鑑定書」の役割を持つ。NFTによってデジタル上のアート作品やゲームアイテムが唯一無二であることを証明でき、「マーケットプレース」と呼ばれるサイトで売買が行われている。

 昨年3月には、米国出身のデジタルアート作家による作品が約75億円で落札され、市場が急拡大するきっかけになった。しかし、NFTを巡っては作家の著作権を侵害するような行為も横行している。

被害にあった「つくよみちゃん」

 昨年11月下旬、クリエータ…

この記事は有料記事です。残り1312文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
中島嘉克
経済部|経済産業省担当
専門・関心分野
デジタル、産業政策