議員定数2減で合意、最低ラインの「逆転現象」解消のみ 大阪市議会
大阪市議会の大阪維新、公明、自民、自民・市民・くらしの4会派は18日、議員定数を現在の83から2減らすことで合意した。人口の少ない選挙区の方が議員定数が多い「逆転現象」が起きている西成区を1減の3、港区を1減の2とする。2月開会の市議会で条例改正案が可決され、2023年春に予定される市議選から適用される見通しとなった。
最大会派の維新は20年国勢調査の結果に基づき、市内24選挙区のうち2~8区で定数を1ずつ減らす2~8減案を提示していた。維新の説明によると、2減案は逆転現象の解消につながり、議員1人あたりの人口の格差は現在の最大1・55倍から1・45倍になる。3~8減の場合、格差は1・42倍まで縮小するという。
4会派協議の終了後、公明市議団幹部は2減案に賛同した理由について、「身近な行政をチェックするには一定の議員数が必要で、2減は適正だ。一票の格差も1・5を下回り、許容される範囲だ」と説明。自民市議団の北野妙子幹事長も「議員が減れば、市政に民意を反映できなくなる。逆転現象の解消以上は応じられない」と主張した。
維新は「身を切る改革」として議員定数の削減を掲げているが、今回は最低ラインの2減案にとどまった。岡崎太幹事長は「逆転現象のための『調整』であり、『改革』という認識はもっていない」と記者団に語った。
維新は市議会で過半数を得ておらず、定数見直しには他会派の賛同が必要との事情もあるが、ある維新市議は打ち明ける。「2月議会では、府と市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備計画案の審議などを控えており、定数見直しでもめたくなかった」
慣例により会派人数が5人以下で協議に参加できなかった共産は、2増2減案を主張し、2減案には反対している。
一方、維新の大阪府議団は、府議会定数を現在の88から9減らすことを目指している。議員1人あたりの人口が東京都を上回り、身を切る改革をアピールできるからだ。
しかし、府内53選挙区の議員1人あたりの人口の格差は、現行の最大2・15倍から2・19倍に拡大する。他会派からは批判もあるが、維新は府議会で過半数を占めており、2月開会の府議会に条例改正案を提出する方針だ…