14日に発射の2発は「鉄道ミサイル連隊の訓練」 北朝鮮報道

ソウル=神谷毅 ワシントン=園田耕司
[PR]

 北朝鮮朝鮮中央通信は15日、北西部・平安北道の鉄道機動ミサイル連隊が射撃訓練を14日に行ったと報じた。14日に日本海側に向けて発射された、短距離弾道ミサイルとみられる2発の飛翔(ひしょう)体を指すとみられる。

 同通信によると、指揮にあたる朝鮮人民軍と国防科学院の幹部が訓練を指導したという。金正恩(キムジョンウン)総書記が同席したかどうかには触れていない。

 同通信は「訓練は鉄道機動ミサイル連隊の戦闘員の戦闘準備態勢を検閲し、任務の遂行能力を高めるためだった」として、「2発の戦術誘導弾が朝鮮東海(日本海)上に設けられた目標に命中した」と成功を主張した。

 実際に戦闘動員の態勢が整っていると評価したうえで、「全国的な鉄道機動ミサイルの運用システムを樹立させるため、鉄道機動ミサイル戦法をさらに完成させる問題を議論している」とも報じた。

 今月の3回にわたるミサイル発射に対し、米国は12日、新たな制裁を公表。北朝鮮は14日、反発する談話を出したうえでミサイルを発射した。同通信は15日の報道で「鉄道機動ミサイル連隊は14日午前、総参謀部から不意に任務を受け取り、迅速に指定された発射地点から機動をした」とも触れた。今回の発射が米国の制裁と北朝鮮の談話を受けて突然行われたことや、米国牽制(けんせい)の目的が強かったことを示唆している。

 北朝鮮は昨年9月、新設した鉄道機動ミサイル連隊が射撃訓練に参加したと報じた。北朝鮮は全国にトンネルなど地下施設を構築しており、鉄道からの発射は探知されにくいとの指摘があった。一方でレールや鉄橋を破壊されると使えない兵器だとの指摘もあった。(ソウル=神谷毅)

国防総省報道官「弾道ミサイル、同盟国と緊密に協議している」

 北朝鮮が14日に発射した2発の飛翔(ひしょう)体について、米国防総省のカービー報道官は14日の記者会見で、「弾道ミサイル」との見方を示したうえで、「米国は我々の同盟国・友好国、そして国際社会との間で、最適の手段について緊密に協議を続けている」と語った。

 カービー氏は「米国は北朝鮮と対話をする意思があるが、北朝鮮側にはそれに興味を示しているサインは見られない」と指摘した。「国防総省の立場としては、我々の最優先事項は朝鮮半島における安全保障上の関与にある」と強調したうえで、「我々は韓国と緊密な関係を維持しており、米韓同盟は今夜にでも戦うことができる準備は整っている」とも語った。

 北朝鮮が5日と11日に発射した弾道ミサイルについて「極超音速ミサイル」と主張していることについて、カービー氏は「我々は現在も情報分析を続けており、現段階では弾道ミサイルだったこと以上の分類をしない」と語った。(ワシントン=園田耕司

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら