第4回本土の民意が生んだ「沈黙」する沖縄の市長 このような国でいいのか

有料記事沖縄から考える民主主義 復帰50年

聞き手・山崎毅朗
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 復帰50年を迎える沖縄で、1月23日に行われる名護市長選。日米関係や東アジアの安全保障にまで影響を及ぼすと言われた人口6万人の地方都市と、日本社会はどう向き合えばいいのか。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の辺野古移設について、4年にわたって「沈黙」をつづけた市長の渡具知(とぐち)武豊(たけとよ)氏(60)の政治姿勢を軸に、ベストセラー「憲法主義」などの著書がある憲法学者の南野森(しげる)・九州大教授と、地方自治に詳しい金井利之・東京大教授に聞いた。

【連載】沖縄から考える民主主義 復帰50年

今年は、沖縄の本土復帰から50年になります。日本社会がいかに沖縄と向き合ってきたのか。日本にとって、沖縄の復帰50年とはどういう意味を持つのか。沖縄から日本の民主主義や地方自治について考えます。

過重な基地負担、無関心な人々が選んだ結果

◆南野森・九州大教授(憲法学)◆

――復帰50年を迎える年の1月に行われる名護市長選。渡具知武豊市長は4年間、移設問題について「沈黙」を通してきました。どう見ますか。

 市長についていえば、立場を明確にすることが王道だとは思いますが、国と地元の市民の間で板挟みになり、本当に難しい立場だとも思います。

 より大切なことは、この「沈…

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