「私は1月6日、あの場所にいた。選挙を盗まれた大統領を支援するためだ!」
自営業のジェフ・ジンクさん(59)が声を張り上げると、集まった100人以上の人々から歓声が上がった。昨年12月17日、アリゾナ州フェニックス。「大統領選挙で不正があった」と訴える人々の集会で、ジンクさんは訴えた。
いまもトランプ前大統領を支持し、今秋の中間選挙で下院選出馬をめざすジンクさんは、1年前の1月6日、息子のライアンさん(32)とワシントンにいた。トランプ大統領(当時)の集会に参加した人々の一部が暴徒化し、連邦議会議事堂を襲撃した時、2人もフェンスを越えて議事堂の敷地内になだれ込んだ群衆の中にいた。
「自分も息子も建物の中には入っていない。息子は動画を撮影していただけだ」とジンクさんは主張する。しかし、事件から約1カ月後の2月4日の真夜中、息子のライアンさんの自宅に連邦捜査局(FBI)の捜査官15人がやってきた。逮捕されたライアンさんは6週間拘置所に入れられた後、議事堂への不法侵入など四つの罪で起訴された。ジンクさんも事情聴取をされたが、逮捕はされなかった。
FBIが押収した証拠の中には、ライアンさんが自分を映してSNSに投稿した映像があった。
「私たちが求めているのはトランプだ!」
「私たちは議事堂に入った。何千人もいる! 私たちを止められる者はいない!」
議事堂内「アンティファの男がいた」
父親のジンクさんは訴える…
- 【視点】
2024年の大統領選で自分の支持する候補が破れても選挙結果を信頼すると答えた人の割合は、62%にとどまったという。衝撃的な数字だ。さらに付け加えれば、選挙で望ましい結果が得られなかった際、暴力を容認する傾向は、共和党のみならず民主党支持者に
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