頑張った自分に花丸を 郵便受けで文通1年超、新聞配達が紡いだ縁

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小林祝子
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 2024年が始まったばかりの、1月1日深夜。ミャンマー出身の新聞配達員シンテンさん(25)はため息をついた。バイクの後ろには、新年の特集や広告で普段の数倍の厚みがある新聞が積み上げられていた。

 いつもなら約150軒を一気に回るが、この日は販売店と配達エリアを何度も往復しないといけない。新聞の重みでバランスを崩しそうになる。

 静まりかえった住宅街で黙々と配っていると、ある郵便受けの入り口に小さなメモが貼り付けてあるのに気付いた。

 「私が見てもいいの?」。おそるおそるはがすと、「暑い日も寒い日も大雨の日も配達ありがとうございました。(中略)これからが寒さ本番の時期です」とある。「使ってください」と袋に入ったカイロが添えてあった。

「気にかけてくれる人がいる」

 シンテンさんは2023年春…

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