島に住む元ちとせさん コロナ禍で見た東京の空に「人の営み」考えた

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聞き手・山本悠理 河崎優子
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 人間と自然との交わりは、答えの出ない「永遠のテーマ」――。奄美大島出身の歌手・元ちとせさんは、そう語る。10年ほど前から故郷に戻り、豊かな山海や野生を間近に暮らす元さんは、コロナ禍のなかで改めて問われている人と自然との関わりにいま、何を思うのだろうか。

 ――雄大な自然や野生動物が目の前に息づく環境で過ごしてこられました。

 生まれ育ったのは、奄美の中でも田舎の小さな集落です。ずっと山や海で遊んでいて、犬、猫、鳥たちを従えて学校に通うような子どもでした。

――自然が最も身近な遊び相手だったと。

 一方で、自然の優しい面よりも、厳しい面をたくさん感じてきました。

 ある日、小さな9頭のイノシシが親に捨てられて弱っていたのを目の当たりにしたことがあります。でも、8頭はその日の夜に死んでしまいました。イノシシの親は生きていく力がないことを見極め、この子たちから去っていったんだと。

 小さな頃からそうしたことを間近にしてきたので、自然の摂理においてはどうしようもないことがあるんだと、当たり前に受け入れてこられたんだと思います。

動物をさばき、命について考える

――コロナ禍は、人間と自然界との関係を私たちに問い直しているようにもみえます。

 人と自然との共生は、永遠に…

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この記事を書いた人
山本悠理
デジタル企画報道部
専門・関心分野
現代詩、現代思想、演劇・演芸、法律学