吉田美和×中村正人に聞く未来予想図 歌えない暗闇を越えてその先へ

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聞き手・興野優平 仲村和代

 コロナ禍は、人々の暮らしを直撃しました。音楽グループ「DREAMS COME TRUE」の2人にとっても、これまでにない厳しい経験だったといいます。

 2020年春、デビュー以来初めて、全ツアーを中止に。21年10月、約2年ぶりにようやく対面でのライブを再開しました。

 「ずっと暗闇の中にいた」というボーカルの吉田美和さん。ライブを再開した当初は感謝の念だけだったのが、ファンたちと向き合ううち、少しずつ変わってきたといいます。

 コロナ禍をどんな風に過ごしていたのか。これからの未来を、どんな風に描いているのか。中村正人さんと共に朝日新聞のインタビューで語ってくれました。

 ――コロナ禍で、人前で歌うことができなくなりました。ドリカムは2020年4月、1回目の緊急事態宣言が出てすぐに、秋から始まる予定だったツアーの全18公演の中止を決めています。コロナのショックはどのようなものでしたか。

 吉田 毎日首を絞められている。そういう表現はよくないと思うけれど。歌っちゃだめって言われたら、死ぬしかないな、みたいな。半分死んでましたね。

 ずーっと暗闇の中にいた。

 ――そのころ2人で話し合ったりはしなかったのでしょうか。

 中村 会ってもいなかった。

 吉田 こんなに長く、実際に会っていなかったのは、出会ってから初めてだよね。9カ月くらい会わなかった。リモートで毎週1回、話したりはしていたんですけど。

9カ月ぶりの再開「久しぶりにやさしい吉田を見た」

 ――その9カ月間、どのように過ごしていましたか?

 吉田 なんにもできなかった。私は本を読む習慣があるので、習慣として本は読んでいましたけど、「せっかくだからこの機会に何かをやろう」とはまったく思えなかった。ただただ、つらかった。

 3日に1回くらいお買い物に…

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この記事を書いた人
興野優平
広島総局|県政担当
専門・関心分野
文芸、核、人口減少、ジェンダー