スポーツ、気軽に楽しめていますか? 基本法施行10年、現場を歩く

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編集委員・中小路徹 松本麻美
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 東京五輪パラリンピックが開かれた今年は、スポーツ基本法が施行されて10年になった。スポーツを楽しみたい人のために、国や自治体などに、場や機会を確保するよう求めた法律だ。

 私たちの周りには今、スポーツを気軽に楽しめる環境が整っているのだろうか。節目の年に現場を歩いた。

子育て世代は「ライト感」が鍵

 母親たちは気分よさそうだ。

 ストレッチで存分に体を伸ばし、体幹トレーニングで筋力を鍛えている。インストラクターの1人が子どもたちを見て、遊ばせていた。

 「ママのためのサーキットトレーニング」教室は、横浜市の磯子スポーツセンターで、月1度開かれる。

 市スポーツ協会が、子育て支援をするNPO法人「夢・コミュニティ・ネットワーク」と共に催す教室で、親子の運動メニューではなく、母親のための時間を提供する。

 11月の回に参加した30代の母親は「動画を見ながら運動できるけど、家だとどうしても『家事をしなきゃ』と思ってしまう。家の外だからいい」と話した。

 スポーツ庁は、基本法の理念から、スポーツ実施率の向上を図る。この10年、成人の実施率は上がったが、相対的に低いのは、子育て世代の30~50代女性だ。

 「子どもを任せて自分も楽しんでいい、という選択肢があることが大事」。そう語るのは、同NPOの坂本寿子代表だ。

 子育てに配慮したプログラム…

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この記事を書いた人
中小路徹
編集委員|スポーツと社会
専門・関心分野
スポーツと社会、サッカー、朝鮮半島