南ア、濃厚接触者の追跡・隔離停止 人口の6~8割が免疫獲得の推計
ヨハネスブルク=遠藤雄司
南アフリカ保健省は23日、新型コロナウイルスの濃厚接触者に対する追跡調査や隔離を原則停止すると各州に通知した。発症した陽性者の8~10日間の隔離は続ける。過去の感染によって人口の6~8割がすでに一定の免疫を獲得したとの推計や、オミクロン株の感染では無症状者が多いことなどから効果が低いと判断したことによる措置という。
保健省のドゥロモ副大臣は24日に国営南アフリカ放送協会に出演し、重症化リスクの高い50歳以上でみれば6割以上がワクチンを接種していることや、オミクロン株による感染拡大は起きているもの、集中治療室(ICU)への入院数や死亡者が低く推移していることを指摘。今回の措置が科学者たちからの提言に基づいた判断だと説明した。隔離が及ぼす仕事や教育への影響も考慮したという。
陽性であっても無症状の場合の隔離は不要とする一方で、大人数の会合への参加を避けることや自身で経過観察をするよう求めた。