「ほぼ言い値」にまで高騰中の旧車市場 人気の裏で盗難被害も
首都高で「箱乗り」した疑いで、20代の男が10月、神奈川県警に逮捕される事件があった。県警は、男が白っぽいセダンに乗り誘導灯を振り回す動画を公開。するとネット上では「名車が台無しだ」「実動車というだけで価値があるのに」など、車へのコメントが相次いだ。20年以上前の中古車「旧車(きゅうしゃ)」がなぜ注目されるのか。取材を進めると、旧車を狙った窃盗事件も起きていた。
男が箱乗りしていたのは、1985年式トヨタ製「ソアラ」。県警によると、男は2月夜、男女4人とともに、川崎市内の首都高で蛇行運転を繰り返したとして道路交通法違反の疑いで10月に逮捕された。
暴走行為の6カ月後の8月には、千葉県内で、83年式トヨタ製のセダン「クレスタ」が盗まれる事件があった。朝日新聞の取材で、千葉県警が11月、動画の男らを窃盗容疑で書類送検していたことがわかった。
「大切な車を盗まれ、本当に悔しい」。被害に遭った千葉県の20代男性は話す。整備士としてためたお金で2019年に約300万円で購入。「今のはどんどん丸くなる中、四角く鉄っぽいゴツゴツしているのがいい」。手入れして大切に乗っていると「500万円で買いたい」という話も持ちかけられたが、断った。エンジンは見つかったが車体は見つかっていないという。
旧車と呼ばれるのは、主に1980年代~90年代に生産された日本車だ。中古車情報誌「カーセンサー」の西村泰宏編集長によると、バブル経済の影響で、コスト度外視の凝った作りの車種が多く、質もいいという。当時、そうした車にあこがれた50代や、その子ども世代の20代から特に人気を集めている。
5年ほど前は、高値で取引されるのは一部車種に限られていたが、ここ1~3年で、他の車種にも人気が広がり、価格も急激に高騰。「ほぼ言い値」で取引されるケースもある。ソアラの場合、状態がいいと500万円ほどの値が付く例もあるという。
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- 【視点】
米国でも日本の旧車が人気という話。 横須賀支局勤務時代に基地広報の公式フェイスブックなど米兵向けページをよく見ていたせいか、今でも私のフェイスブックには、米兵向けと思われる広告がよく表示されます。 ついつい読んでしまうのが、横須賀の中古
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