タンチョウ絶滅リスク引き下げ でも北海道の生息地は「もろい状態」

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武沢昌英
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 国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の恐れのある野生生物のレッドリスト最新版を今月9日、発表した。北海道東の釧路湿原などに生息する国の特別天然記念物タンチョウは、近年数が増えていることから、これまでの「絶滅危機」から1ランク引き下げの「危急」となった。ただ、国内での生息は給餌(きゅうじ)で維持しているのが現状で、関係者からは先行きを不安視する声も出ている。

 タンチョウは乱獲などにより明治時代に一時絶滅したと思われていたが、その後、国や自治体、自然保護団体などによる保護が進み、生息数は回復した。環境省の委託で道が道内各地で毎冬2回実施しているタンチョウの越冬分布調査では、今年1月は道内で1516羽が確認され、過去最多だった。

 環境省による日本版レッドリストでは、タンチョウは1998年に絶滅危惧種から1ランク低い危急種となっている。このような状況から、スイスに本部を置くIUCNも見直しを検討していた。

 今回の引き下げについて、道…

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