感染者急増の南アフリカ、ファイザー製ワクチンの3回目接種承認

オミクロン株

ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 南アフリカ医療製品規制庁は8日、米ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンについて、3回目の接種となる「ブースター接種」を承認したと発表した。原則18歳以上が対象で、2回目の接種から少なくとも6カ月間隔を空ける。

 ファイザー社と独ビオンテックは同日、新型コロナの変異株「オミクロン株」に対するファイザー社製ワクチンの感染予防効果について、2回の接種では従来のウイルスより効果は大幅に落ちるが、3回目を接種すると、2回接種で従来のウイルスに対して得られる効果と同等の効果がある、とする実験結果を発表していた。

 南アではオミクロン株の出現により新型コロナ感染者が急増しており、国立伝染病研究所(NICD)は8日、新規感染者数を1万9842人、陽性率は26・8%だったと発表した。

 同国最大の医療法人ネットケアのリチャード・フリードランド最高経営責任者(CEO)は同日、オンライン会議で、「いまのところ我々の病院で診ている新型コロナ陽性者のうち、何らかの酸素療法が必要な人は10%に過ぎない」「我々がいま見ている症状は非常に穏やかだ」と説明した。

 フリードランド氏によると、新規感染者の陽性率が26%を超えた段階で、南アが経験した前回の「第3波」では同社の施設に3千人以上の患者が入院していた。だが今月8日時点では337人だとして、今回は感染拡大の勢いに比べて、入院数の増加が過去3回の波の時よりも少ないと指摘した。

 また、11月15日以降、同社の医療施設には新型コロナの陽性者約800人が入院したが、うち75%がワクチン未接種だった。陽性が確認されたうち死亡したのは7人で、新型コロナが死因と考えられる4人のうち3人がワクチン未接種だったという。フリードランド氏は、「ワクチンを打つことが最も重要なことだ」と強調した。(ヨハネスブルク=遠藤雄司

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