地上375m、雪払い準備 スカイツリー
抜井規泰
本格的な冬の到来を前に、東京スカイツリー(東京都墨田区押上1丁目)で3日、積雪時の作業風景が公開された。足がすくむ地上375メートル。観光客が訪れる「展望デッキ」の屋上で行われた。
鉄骨に雪が積もると、氷の塊となって地上に落下する危険がある。ツリーでは毎冬、積雪のたびに人海戦術で雪を払っている。風で転落しないよう、作業員たちは手すりに命綱をつないで作業する。長い柄を用いて、巨大な鉄骨や屋上のデッキなどに積もった雪を払う様子などを実演した。
スカイツリーでは、積雪の予報が出ると展望台の外壁のヒーターを作動させ、雪が積もる前に溶かす。だが、鉄骨に積もった雪を取り除くには手作業が必要となる。一度に70~80人の作業員が除雪にあたる。
建設途中の2011年からこれまでに、スカイツリーからの落雪が原因とみられる事故は21件。人身事故はなく、民家のサンルームの屋根や自動車のボンネットをへこませるなどの被害が起きたという。村山隆史・電波塔事業本部長は「今年はラニーニャ現象で厳しい寒さが予想される。いつでも対応できる態勢を整えて冬に臨みたい」と語った。