「オミクロン株が怖い」南ア、急ぐワクチン接種 完了は24%どまり
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が最初に報告された南アフリカで、新規感染者数が急増している。同国の国立伝染病研究所(NICD)によると、1日の新規感染者数は8561人(陽性率16・5%)で、前日の4373人(同10・2%)からほぼ倍増。死者は28人で、前日の21人から7人増えた。
1日午後1時過ぎ、首都プレトリア東部にあるマメロディ地区の市民センターを訪れた。体育館のようなスペースには、1メートルほど距離を空けて椅子が並び、20人あまりの住民が登録やワクチン接種の順番を待っていた。
ファイザー製ワクチンの1回目を打ち終えたフリーダム・クビサさん(34)は「これまではワクチンを受ける心の準備ができていなかったが、オミクロン株が怖いので受けることにした」と苦笑した。「ワクチンを打つことは自分だけのためではなく、みんなのためにもなる。ワクチンが危険だとか子どもを作れなくなるといった誤ったうわさを信じる人もいるが、国の経済活動を以前のような状態に戻すためには接種が必要だ」と語った。
職員によると、オミクロン株の発見を受けて接種者が急増するといった事態は起きていないという。
南アでは現在、12歳以上を対象にワクチンを無料で接種しているが、接種を完了した人は総人口の約24%にとどまっている。国内にはワクチンへの抵抗感を持つ人も多いため、ラマポーザ大統領が「変異株から身を守るためにはワクチン接種が最も重要」と演説で強調するなど、政府や専門家たちは、国民に接種を急ぐよう呼びかけている。
NICDによると、新型コロ…