(特派員メモ)ロボットからわくわく感 @中国・広州

特派員メモ

西山明宏
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 中国で開かれていた広州国際モーターショーを取材で訪れた。地元の電気自動車(EV)メーカーが展示したロボット充電スタンドの実演を見たとき、考えさせられた。充電スタンドから自動でゆっくりとプラグが出てきて、充電口に差し込まれ給電する。最新技術の紹介だが、見学していた地元の有力者らしい男性はこう言った。「手で差し込んだ方が速いじゃないか」。周囲で笑いが起きた。

 中国にはロボットがすでに多くいる。火鍋屋の全国チェーンでは、頼んだ食材を運んでくる。浙江省のホテルではエレベーターに自ら乗り込み、各フロアを移動して廊下などを掃除していた。配達人に代わって宅配物を運ぶ、警備員のように見回りをする……。ほとんどは技術をPRするパフォーマンス。だが、新たなことにチャレンジしているわくわく感は否定できない。

 ロボット充電スタンドも現時点ですぐには普及しなさそうだ。でも、今後改良すればわからない。人によっては無駄にも思える新しいことに資金と人材を投じて開発する。今の中国企業には強さと余裕があるからだ。日本からすれば、笑ってはいられないなと思い直した。(西山明宏)

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