薬物過剰摂取による死者、米国で年10万人超 大半は「オピオイド」

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ワシントン=合田禄
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 米疾病対策センター(CDC)は17日、米国内での薬物の過剰摂取による死者数が、今年4月までの1年間で過去最多の10万人超となったとする推計を公表した。原因の大半は麻薬性鎮痛薬「オピオイド」によるもので、米国では乱用が社会問題化している。新型コロナウイルスの流行も拍車をかけたとみられている。

 CDCによると、過剰摂取による死者数はここ20年ほど増加傾向にある。4月までの1年間でみると、新型コロナが世界的に流行する前の2019年は21年に比べて約3割少なかった。

 原因の7割以上を占めるオピオイドは、ケシを原料とする鎮静剤モルヒネや、それと同様の作用を示す合成化合物の総称。痛み止めなどとして医師に処方される薬もあるが、ヘロインなど違法に販売される薬物もある。

 医師に処方されたオピオイド…

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2021年11月18日13時22分 投稿
    【解説】

    新型コロナワクチン開発に成功し、命を救った英雄とみられる向きもある製薬会社だが、オピオイド中毒問題に関しては命を奪ってきた加害者である。 この問題に関して示唆的なのが、『絶望死のアメリカ』の著者の1人、経済学者アンガス・ディートン氏に

    …続きを読む