抗原検査キット、130万個自主回収 政府が高齢者施設にも配布

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 厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの検査のため政府が配布した抗原検査の簡易キットの一部で十分な検査ができない可能性があるとして、製造・販売したデンカ社(東京都中央区)が自主回収を始めたと発表した。使用部材に不良があり、感染していないのに陽性と判定される「偽陽性」が出る可能性が高まるという。重篤な健康被害は報告されていないという。

 問題のキットの名称は「クイックナビCOVID19Ag」。1箱10個入りで昨年12月に約130万個出荷した。新潟県五泉市にある工場で製造した製造番号0750121から0850121。うち約120万個は、PCR検査よりも短時間で新型コロナへの感染の有無を調べるため、政府が今年8、9月に医療機関や高齢者施設に配布した。使用した複数の施設から「偽陽性となる確率が高いのではないか」と苦情があり、発覚した。

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    朽木誠一郎
    (朝日新聞記者=医療、ネット)
    2021年11月9日23時56分 投稿
    【視点】

    精度に難のある機器を使った検査では、“偽りの安心”しか提供できません。以前取材させていただいた識者が「安心は安全から」とおっしゃっていましたが、ともすると「安全より安心」に陥ってしまう社会では、こうしたニュースには気を配っておきたいものです

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