維新が政権批判票を取り込み躍進 「改革の必要性、全国に伝わった」
日本維新の会は小選挙区94人、比例単独2人の計96人を擁立した。このうち30人を擁立した近畿で特に支持が広がった。
大阪府では、公明候補がいる4選挙区を除く15選挙区で候補を立て、自民や立憲の前職らと争い、全ての選挙区で勝利が確実な見通しとなった。前回の3議席から大幅に伸ばした。1996年の小選挙区制導入以降、自民は初めて府内の小選挙区で全敗した。
維新は兵庫県では、12選挙区のうち9選挙区に擁立。前回は自民が10、公明が2選挙区で勝って自公で全てを制したが、今回は維新が1選挙区で勝利した。
比例区では、維新は近畿ブロック以外でも議席を獲得した。
「ぶれずに前に進む」
日本維新の会は、代表の松井一郎・大阪市長や副代表の吉村洋文・大阪府知事らが午後10時から、同市内のホテルで記者会見した。大幅な議席増が確実となったことを受け、松井氏は「大阪で構造改革、行財政改革をやってきた。全国に改革の必要性は少しは伝わったと思う」と語った。
午後8時に投票が終了すると、大阪府の小選挙区を中心に維新候補の当選確実が相次いで報じられた。吉村氏の人気を追い風に自民支持層の一部や無党派層にも浸透し、政権批判票を取り込んだ。
衆院選での獲得議席は2012年が54議席、14年が41議席、17年が11議席(14年は維新の党)。今回の勝因を問われ、吉村氏は「約束を実行する姿勢が評価された。挑戦、改革する政党としてぶれずに前に進むことが重要だ」と語った。松井氏は岸田政権に「是々非々で臨む」と話した。維新は国会議員の定数・報酬の削減法案を提出する方針を示している。
松井、吉村両氏は、衆院選後に党代表選が行われる場合、立候補しない意向を明らかにした。松井氏は、23年4月の市長任期満了で政界を引退する考えを改めて示した。
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