無人島なのに期日前投票? 投票所入場券の謎、記者がたどった
伊東邦昭
31日に投開票される衆院選の投票所の入場券が、松山市に住む記者のもとに市選挙管理委員会から届いた。裏面には、投票日当日に投票所に行けず、期日前投票をする場合に理由を書く「宣誓書」がある。
その選択肢の一つに目が留まった。「由利島に居住・滞在」。由利島? 半世紀前から無人の島が、なぜ?
由利島は、松山市の三津浜港から西に約16キロ沖の伊予灘に浮かぶ、面積約0・6平方キロの島。大小二つの島が砂州でつながった陸繫島(りくけいとう)で、松山市と合併する前は旧中島町に属していた。
1968年発行の「中島町誌」によると、戦前から、島の北約8キロにある二神島から移住してくる人や、夏のイワシ漁の時期だけ滞在する人が住んでいた。41年は常住16戸、夏の一時滞在が70~80戸あり、にぎわったという。
だが、64年ごろには常住者はほぼいなくなった。市まちづくり推進課によると、その後も二神島からミカン栽培のために通ってくる人はいたが、現在は無人島。定期航路もない。
無人の由利島での「居住・滞…