第1回選挙のプレッシャー、志失う政治家を多く見てきた 山尾志桜里さん

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聞き手・長富由希子
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 「政治家はなぜ暮らしをよくできないの?」「そもそもどんな仕事?」。衆議院選挙の投開票日が近づく中、読者の疑問を募って取材する「#ニュース4U」取材班に疑問が寄せられた。14日の衆院解散をもって政治家を辞めた山尾志桜里さん(47)は、約10年で野党も与党も経験した。現状と課題を聞いた。

 社会貢献がしたくて政治家になったが、永田町の世代交代が遠い中、漫然と政治家を続けてもより良い社会貢献は難しいと判断した。

 政治家の仕事の本分は、国会質問などで行政の仕事を監視することと、法律を作ること。この二つだが、いずれも課題がある。

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 テレビの国会中継で、与党は「ご決意のほどを伺います」と大臣に優しい質問をする。野党はスキャンダル追及が多い。もっと政策の建設的な議論を聞きたい国民は多いはずだ。

 背景には、テレビ中継される国会質問で、どの議員が何を質問するかを、各党の国対委員長が決めていることにあると思う。夜のニュースや翌朝のワイドショーに「取り上げられてなんぼ」の感覚で質問を決めがちで、野党は特に焦りが強い。

 私自身も、国会質問の30分前に「必ず質問するように」とスキャンダル記事のコピーを渡され、理解が不十分なまま質問をした経験がある。苦い思い出で、その後は断ってきた。

最初の5年は「優等生そのものだった」そうです。一晩に七つの盆踊り会場をはしごし、正月は餅つき会場を全部まわってこれ以上は入らないところまで餅を食べたといいます。しかし、時間の多くが次の選挙のための活動に注がれることに疑問と限界を感じました。

 質問に立つ議員はみんな深い…

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この記事を書いた人
長富由希子
大阪社会部
専門・関心分野
社会保障、人権、精神疾患、原爆
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    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2021年10月16日0時21分 投稿
    【視点】

     この記事を読んで、つくづく日本の政治が機能していないことがよくわかります。そして、この本音は多くの読者が共感を持って受け止めるのではないでしょうか。  「社会を変革したいから政治家になる」のではなく、「社会を変革したいから政治家をや

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