漫画のコマなどの電子データを「本物」であることを証明して販売する新サービスを、電子書籍取次会社メディアドゥなどが12日、始める。「NFT(非代替性トークン)」と呼ばれる技術を使うことで、電子データに「1点もの」の価値を付け、コレクターやファンが集う新市場の開拓を狙う。

 NFTは、ある電子データが真正であることを示す証明書のようなもの。ブロックチェーン(分散型台帳)に発行者や所有者の情報を書き込むことで履歴が記録されるため、複製や改ざんが難しくなる。

 NFTを使った電子データは、高値で取引されることも少なくなく、ツイッターの共同創業者による初ツイートは3億円超で落札された。タレント香取慎吾さんがパラスポーツ支援のため寄付者限定で自身がてがけたデジタルアートを届ける際もNFTが使われた。

 メディアドゥは12日にNFTを使った作品を配信する専用サイト「FanTop」を開設する予定。英語版も用意し海外からも購入可能にする。12月には購入者がサイト内で転売できるようにする。転売時にはメディアドゥが手数料を受け取り、出版社などに還元する。将来は数百万人が集い、売買もする市場に育てる構想だ。

 12日に販売するのは、人気漫画「北斗の拳」の7コマをセットにしたパック(4910円)、漫画「銀牙伝説ノア」を元にしたアート作品(2千円)、アニメソングを歌うバンドのCDジャケット写真など。今後はAR(拡張現実)の作品なども販売予定という。

 また、メディアドゥは出版取次大手トーハンと連携し、書店で販売する出版物にNFTを使った「デジタル特典」を付けるサービスも始める。写真集に添付されたカード上の16ケタのコードを専用サイトで入力すると、特典を受け取れる。

 14日に発売予定の俳優・岡崎…

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