教養の刷新、学びの成果も可視化へ 求める力を伸ばすため、大学模索

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編集委員・増谷文生
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 コロナ禍が招いた「ニューノーマル」の時代に、大学の卒業生にはどんな能力が求められるのか。朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」では今回、学長にそんな問いを投げかけた。以前から求められてきた力に加え、コロナ禍で一変した社会で重要性が増した能力も身につけさせようと、大学は動き始めている。

 2011年度から続く共同調査は今年度、6~8月に全国の国公私立大755大学を対象に実施した(回答率85%)。このうち、「ニューノーマルの社会の中で、大卒者にはどのような能力が必要になると考えるか」という設問(自由記述)には、564大学の学長が回答を寄せた。

 特に多くの大学が必要性を指摘したのが、ICT(情報通信技術)や情報の活用能力だった。

 一橋大は「どのような仕事に就くにせよ、変化の激しい現代社会で仕事をする上で、必要になる能力だ」とした。こうした考えから、具体的な取り組みとして「20年度から全学生が履修できる科目『AI入門』を始めるなど、全学で情報教育を強化している。23年度には『ソーシャル・データサイエンス学部・研究科』(仮称)の創設を予定している」などと書いた。

 名古屋大は、「自ら学ぶ力、タイムマネジメント力、環境適応力、デジタルリテラシー、情報活用能力を、一人ひとりの個性や適性を生かしながら、バランス良く身に付けることが必要」と記述した。

 また、そのために教養教育を…

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