ワクチン接種8割でも「感染は止まらない」 現地の医師が見る実態は

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シンガポール=西村宏治
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 新型コロナウイルスのワクチン接種率が、人口(約545万人)の83%に達しているシンガポール。そのシンガポールでも10月、新規感染の報告が1日3000人を超え、これまでで最悪と言えるペースでコロナ感染が増えている。

 9月下旬には政府が、外出時や外食時の人数制限を強めるといった行動制限の再強化に踏み込まざるを得なくなった。高いワクチン接種率にもかかわらず、なぜ感染が増えたのか。患者にはどんな特徴がみられるのか。

 感染症が専門で、シンガポールの拠点病院、マウントエリザベス・ノベナ病院などで数百人のコロナ患者を診察してきたレオン・ホーナム医師に聞いた。

 ――シンガポールでは、新型コロナウイルスのワクチン接種率が8割超と高いのに、いまも感染が収まる気配がありません。いったいなぜでしょうか。

 「まずワクチンについては、デルタ株が出てきたことで話が変わりました。重症化は防ぎますが、必ずしも感染は防ぎません。試験の科目が変わったようなものです。前のテストで98点だったのに、次には内容が変わっていて30点や40点しか取れない。そんな印象です」

 ――デルタ株に対しても、感染防御効果があるという報告もあったと思いますが。

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 「デルタ株に対するワクチン…

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