米CIAが対中専門の部署新設 中国語話者の採用・訓練も予定

ワシントン=高野遼 北京=林望
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 米中央情報局(CIA)は7日、台頭する中国を重要な脅威と位置づけ、新たな部署「中国ミッションセンター(CMC)」を設置すると発表した。CIA内ですでに進めている中国に対する活動を統合し、全庁的な対応を可能にする狙いがあるという。

 CIAのバーンズ長官は、脅威は中国の人々ではなく中国政府によるものだと強調したうえで、「敵対的な動きを強める中国政府という、我々が21世紀に直面する地政学的に最重要な脅威に対し、総合的な取り組みをより強化する」とCMC設立の意義を語った。

 ワシントン・ポスト紙によると、冷戦期にソ連に対抗したときのように、CIAはより多くの言語学者や技術者、専門家を世界各国に配置し、情報収集にあたる。中国語話者の採用や訓練にも取り組むという。

 CIAはほかにも組織改編を進め、新技術や経済安全保障、気候変動やグローバルヘルスなどの地球規模の課題に対応するための部署も新たに設置する。

 バイデン政権は過去20年にわたり続けてきた中東地域での対テロ戦争から、台頭する中国との競争へと焦点をシフトさせており、この方針に沿った組織改編となった。ただCIAは、テロ対策に加えてロシアや北朝鮮、イランの脅威についても引き続き注視していくとしている。

 CMCの新設について、中国外務省の趙立堅副報道局長は8日の定例会見で、「典型的な冷戦思考の表れ」と批判し、「米国の関係部門は両国の相互信頼を損なう行為をやめるべきだ」と述べた。(ワシントン=高野遼、北京=林望)

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