岸田内閣、低調な船出 支持率45%・不支持率20% 朝日世論調査

2021衆院選岸田政権

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 岸田文雄内閣の発足を受け、朝日新聞社は4、5日、全国世論調査(電話)を実施した。内閣支持率は45%で、不支持率は20%だった。発足直後の支持率としては、現在の方法で調査を始めた2001年の小泉内閣以降で、麻生内閣の48%を下回り、最低となった。

 衆院選比例区投票先について「仮に今、投票するとしたら」と聞いたところ、自民は41%で、立憲の13%を引き離した。自民は5~8月は35%前後だったが、総裁選の動きが活発化した9月中旬の調査では43%に復調。勢いはやや弱まったものの、無党派層の投票先をみると、自民の22%が立憲の13%を上回っている。

 岸田内閣の支持率は、菅義偉内閣の退陣表明前の8月の28%に比べると、大きく上回っている。しかし、1年前の菅内閣発足時の65%には及ばず、新政権発足後にしばしば生じる「ご祝儀相場」には遠い。

 とはいえ、岸田内閣の不支持率が高いわけではない。「その他・答えない」が35%と、支持・不支持の態度を明確にしない人が3分の1を超えているのが大きな特徴で、過去20年で最多の野田内閣発足時の29%より多かった。

 支持政党別にみると、自民支持層の岸田内閣支持率は72%だった。しかし、無党派層の支持率は28%、不支持率は22%で、「その他・答えない」が50%に達した。

 岸田内閣を支持する人にその理由を4択で聞くと、「他よりよさそう」が45%と最多で、「自民党中心の内閣」21%、「政策の面」18%と続き、「首相が岸田さん」は13%。これは1年前の「首相が菅さん」の23%と比べて少ない。

 岸田首相は総裁に選出された時、「生まれ変わった自民党を国民に示さなければならない」と発言した。新内閣や党役員の顔ぶれをみて「生まれ変わった自民党」を「実現できる」と思うと答えた人は24%で、「実現できない」が54%を占めた。内閣支持層でも「実現できる」「実現できない」がともに41%で並んだ。

 岸田首相は、安倍政権や菅政権の路線を「引き継ぐ方がよい」と答えた人は23%で、「引き継がない方がよい」は55%だった。自民支持層に限っても「引き継がない方がよい」がほぼ5割を占めた。

〈調査方法〉コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、4日夕から5日夜にかけて全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した684世帯から375人(回答率55%)、携帯は有権者につながった1330件のうち597人(同45%)、計972人の有効回答を得た。

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    堀江浩
    (朝日新聞編集委員=選挙、世論調査)
    2021年10月5日22時6分 投稿
    【解説】

    船出したばかりの岸田内閣の国民の評価をひとことで言うなら「よく分からない」でしょうか。仕事ぶりがつかめない発足直後の調査では、リーダーの印象や刷新感、期待感が尺度になりやすいです。ところが今回の結果からは新内閣への期待感が薄い。そして「その

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2021年10月5日23時31分 投稿
    【視点】

    いわゆる「ご祝儀相場」は限定的だったということですね。一方で、比例区投票先調査での自民党の勢いはそこそこキープされているとみられるため、菅政権末期の「自民単独過半数割れも」などと言われた惨状は改善し、衆院選が戦いやすくなったとは言えるでしょ

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