租税回避は不公平の象徴、対策進む 「5年前のパナマと全く異なる」
編集委員・奥山俊宏
タックスヘイブン(租税回避地)の実態が「パナマ文書」で報じられてから5年。今回の「パンドラ文書」で、タックスヘイブンとのつながりが判明した世界の政治家や高官は330人を超え、パナマ文書の倍以上だ。ただし、日本からは政治家は見つかっていない。
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)がタックスヘイブンに関する取材プロジェクトを立ち上げたのは2011年。それからの10年、パナマ文書(16年)やパラダイス文書(17年)の報道によってタックスヘイブン利用への国際社会の批判が強まっている。
タックスヘイブンの利用そのものは違法ではない。だが、法律が想定していない特異なスキームで税負担の減少を図ったり、資金の流れを隠したりする目的で、タックスヘイブンが悪用されることもある。「多くは適法だが、その適法であることこそが問題だ」とオバマ米大統領(当時)が述べた通り、大企業や富裕層だけが税負担を減らして恩恵を受ける一方、しわ寄せは市民が負う。これは不公平の象徴となっている。
このため、国際社会は法制度…
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