三菱電機、新たな検査不正が相次ぎ発覚 調査難航で見えぬ全容

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村上晃一
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 三菱電機の検査や品質をめぐる不正問題が広がっている。長崎の工場をきっかけに、ほかでも不正が相次いでみつかった。国際的な規格の認証を取り消され、メーカーとしての信頼が揺らいでいる。当初は今月にも調査報告書を公表する予定だったが、全容解明のめどは立っていない。

 6月に発覚した長崎製作所(長崎県時津町)での不正は、鉄道車両用の空調設備などについて必要な検査をしていたように見せかけていた。1985年ごろから続き、製品は国内外の鉄道メーカーに納入されていた。架空の検査データを自動的につくる「専用プログラム」も使われており、組織的なものだった。この問題を受け、杉山武史社長が7月に辞任し、後任に漆間啓(うるまけい)専務が就いた。

 三菱電機では過去にも同じような問題があったのに、調査が不十分だった。今回は元東京地検特捜部検事の木目田裕(きめだひろし)弁護士をトップとする社外の調査委員会をつくり調べている。全社員へのアンケートなどをして、自主的に問題を申告した社員は処分しない方針も打ち出した。

 調査が続くなか、長崎製作所以外の拠点で新たな不正が明るみに出た。

 ビルや工場で使われる空調装置などをつくる冷熱システム製作所(和歌山市)では、製品の一部が約7年間にわたって正しく検査されていなかった。検査に使う機器が故障していたことが原因だったという。

 受配電システム製作所(香川県丸亀市)では、工場や官公庁などで使われる配電盤で、取引先が求める検査を省くことなどが約25年も続いていた。従業員からの通報で発覚したという。

 福山製作所(広島県福山市)では、「遮断器」と呼ばれる工場用のブレーカーで、外部の認証機関による検査で合格させるために約16年前から不正な検査をしていた。製作所内の点検で判明したという。

国際認証の取り消しも

 これらの新たな問題について…

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