風景画で旅する明治の日本 発見された「自画像」とノスタルジー

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西田理人
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 幕末の開国以来、急速に近代化を推し進めていく明治の日本。西洋の様々な文物が持ち込まれる一方で、人々の暮らしや風景の中には、いまだ江戸期の面影が色濃く残っていた。当時の風景画家たちが描いた洋画の一つ一つに、やがて失われてゆくノスタルジックな情景が記録されている。

 京都国立近代美術館京都市左京区)で開催中の企画展「発見された日本の風景 美しかりし明治への旅」は、明治期に描かれた水彩画を中心に、国内外の画家73人の計246点を並べ、かつての日本を旅する試みだ。作品はいずれもお土産などとして海外に渡っていたもので、ある日本人コレクターの長年の収集活動によって「帰国」が実現した。貴重な展示作品のうち、約9割は日本初公開という。

企画展「発見された日本の風景 美しかりし明治への旅」は、10月31日まで。記事後半では、画家たちが発見した日本の「自画像」について紹介します。

 1853年の黒船来航以後、外交関係者やお雇い外国人をはじめ、多くの人々が海を渡って日本にやってきた。その中に、チャールズ・ワーグマンやジョルジュ・ビゴーといった報道画家や、あまたの風景画家たちがいた。絵筆を握って各地を歩いた彼らの作品からは、西洋人の目に映った当時の日本の姿をうかがい知ることができる。

 彼らの選んだモチーフは、富…

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