創業187年で最高益 美濃和紙文具でヒット、古川紙工のSNS戦略
今泉奏
創業187年の老舗紙メーカーが、コロナ禍で過去最高の収益をあげた。山と川に恵まれた岐阜県美濃市にある古川紙工。SNSで巧みにトレンドを読み、伝統の美濃和紙を生かしながら、ヒットを連発している。躍進の裏には、若い社員の活躍があった。
近くにコンビニすらない山のふもとに、古川紙工の本社がぽつんと建つ。白を基調としたガラス張りのオフィスで働く48人の7割が女性だ。伝統的に和紙の紙すきは主に女性が担っており、その名残もあるという。8代目を古川慎人社長(50)が務め、老舗でありながら、20~30代の社員が中心だ。
主力商品は、美濃和紙を手軽に使える便箋(びんせん)。なかでも手のひらほどの大きさの「そえぶみ箋」が定番だ。2007年に発売し、400種類以上を展開してきた。企業や自治体からの特注品を含めると、さらに種類は増える。コロナ禍では、なぞれる「お手本」付きの写経セットも人気だ。
商品開発をリードするのは6人の女性デザイナー。トレンドの変化をどう先読みしているのでしょうか。記事後半で紹介します。
若手女性デザイナーが担う商品開発
美濃和紙の特徴は「薄いのに…