駿台、テキストの竹島・南京記述を一部削除 「批判ツイート多く」

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 大手予備校の駿台予備学校が、日本史テキストのなかの竹島や日中戦争中の南京事件(1937年)をめぐる記述の一部を削除した。記述に批判的なツイッターの投稿が多数確認されたためだという。削除を決める直前、同校を運営する学校法人駿河台学園に対し、自民党の山田宏参院議員の事務所が記述に関する問い合わせを数回していたが、学園は「(同事務所から)削除や訂正の要求はなかった」としている。

 駿台関係者によると、削除されたのはテキスト「日本史近代Ⅰ」の「日露戦争中に日本は独島(トクト)を領土に編入して既成事実化して竹島と命名した」との記述と、「日本史近代Ⅱ」の南京事件に関する「中国民衆・投降兵・捕虜の虐殺は十数万人以上」などの記述。テキストは文系の高卒生の多くが使用。駿台の担当講師らが入試の傾向や教科書の内容を踏まえて20年ほど前から毎年改訂してきたという。

 独島は竹島の韓国名。同島は現在、韓国が実効支配しているが、日本政府は「歴史的事実からも国際法上も明らかに日本固有の領土」としている。南京事件の犠牲者数は日本国内の歴史研究者の間でも推計に幅があり、2万人余りという説もあれば十数万~20万人という説もある。

自民・山田宏議員事務所「ツイッター情報きっかけに問い合わせ」

 学園によると、8月29日、竹島に関する記述があるページの画像がツイートされた。その後、記述に批判的なツイートが殺到していることを確認し、内部で対応を話し合っていた31日、山田氏の事務所から「テキストにツイッターで指摘されているような記述があるか確認したい」などと問い合わせる電話が数回あったという。

 学園は同日中に「様々な指摘を総合的に判断」して削除を決め、テキストを使っている校舎に削除箇所を連絡。一部の校舎では削除箇所を掲示したという。山田氏側には電話で削除を伝えた。担当者は「(事務所から)削除・訂正要求はなく、記述に批判的なツイートが多かったことを重くみて削除を決めた」と話す。テキストに関する政治家からの同様の電話は「これまでなかった」という。

 山田氏の事務所は朝日新聞の取材に、問い合わせのきっかけはツイッターで送られてきた情報だったと説明。記述が問題だと考えた理由について「竹島の記述に関して、日本政府の公式見解と異なるため」「南京事件については諸説があり、様々な見解を勘案した表記をすべきではないかと考えたため」と回答した。

政府の見解とは

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 山田氏のツイッターには「(…

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