マルニ、プラダとファンへの愛 ミラノ・コレ開幕前に香取慎吾が語る

有料記事ファッションミラノ・コレクション

聞き手=編集委員・後藤洋平
【動画】ミラノ・ファッションウィーク ナビゲーターの香取慎吾さんインタビュー
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 ミラノ・ファッションウィーク(MFW)の2022年春夏コレクションが21日に開幕します。朝日新聞はMFWのストリーミングパートナーとして期間中、全ブランドの発表を特設サイトで同時配信します。朝日新聞のMFWナビゲーターを務めるのは、今回も香取慎吾さん。注目するブランドや見どころ、自身が手がける「ヤンチェオンテンバール」の服づくりに対する思いを語った。

 また、ミラノ期間中は「新しい地図」の4周年と重なる。あの時の新たな歩みが、香取さんがファッションの仕事を始めたきっかけにもなった。4年間を振り返った香取さんの言葉は、ファンへの感謝の気持ちであふれていた。

       

 ――今日の服装のポイントは?

 ボッテガ・ヴェネタのジャケットとパンツです。ボッテガは新しいデザイナー(ダニエル・リー)が手がけるようになって、革製品ではイントレチャートの幅がでっかくなったり、服もイメージが変わって、びっくりした。色が素晴らしくて気に入ったのです。

昔から好きだったマルニ

 ――ボッテガもイタリアのブランドですものね。そして今回も、ミラノコレクションが始まります。気になるブランドは?

 マルニはどうですかね。ヤンチェオンテンバールで協業させてもらったことがあって。デザイナーが変わってから数年経ちますよね。そうしたインパクトの強い始まりもいいけれど、ブランドって本当は少し落ちついてから、クリエーションが本当に爆発するような感じがする。今のマルニって、そんな時期なんじゃないかなって思いますね。だから今回も期待したいです。

 (創業者のコンスエロ・カスティリオーニがデザイナーだった)昔から好きだったブランドなんです。若い頃、イタリアに行った時に、「マルニを知ってる自分って、なんかおしゃれ」という感じがしていた。本当に十数年も前のシャツだって、いまだに着るもん。「それ、どこのブランドですか?」って聞かれた時に「これはマルニなんだけど、結構昔のだから」って言うのも、ちょっといいでしょ? 色々と思い出すなあ。

ラフ加入後のプラダは「たまらない」

 ――プラダに対する思い入れも強いですよね。ラフ・シモンズが加入して、いよいよ今年の秋冬からメンズでも彼のデザインした服の展開が始まりました。

 そうなんですよ。注文していたものが続々届いています。

 ――爆買いしました?

 爆買いっていうか……まあ、爆買いになっちゃうかな(笑)。とっても分厚い、あたたかい服の数々が、まだ暑い東京の僕の家に、続々届いてますね。早く着たい。

 ――改めて、昨年から人気デザイナーのラフ・シモンズが加わったプラダについての思いは?

 興奮するタッグ。初めから期待を裏切らないものだった。まだまだ始まったばかりでこれだから、どうなっちゃうのかな。

 服を見ていると、ラフ・シモンズのプラダへの思いも感じるんですよね。有名なデザイナーですが、「自分がこのブランドで暴れさせてもらうよ」という感じではなくて、プラダの歴史にラフが入って、継承するところをちゃんとつないだうえで、彼のエッセンスがたっぷり入ってるっていう。だからたまらないですよね。

ドルガバがファッションの教材だった

 ――若い頃にステージ衣装でよく着たという、ドルチェ&ガッバーナはどうでしょう?

 若き僕を(ファッションの道に)いざなってくれたブランドですね。ジャケット、スリーピース、ネクタイ、ボウタイのなんたるかを教えてくれた。

 僕は、今ヤンチェオンテンバールを一緒にやっているスタイリストの祐真朋樹さんに、若い頃からたくさんのことを教わってきた。その教わる時の教材というか「こういう服の歴史ってこうなんだよね」という時には、ドルチェ&ガッバーナの服とともに説明を聞いていた。

 ――メゾン・マルジェラはパリで発表していますが、エムエムシックスはここ数シーズン、ミラノで発表していました。今日の装いではスニーカーはマルジェラですね。

 はい。今日の気分で。マルジェラは、服好きならみんなが通る道ですよね。

 ――香取さんがミラノコレクション特設サイトのナビゲーターを務めることで、多くの人たちがファッションに興味を持ってくれると思います。そうした人たちへのメッセージはありますか?

 ファッションは着るだけじゃなくて、時代を反映する要素がいっぱい詰まってる。だから、少しでも興味があれば、こういうコレクションのサイトをのぞいてもらえると、他では知りえなかったことが分かる。

 言葉で説明されなくても、ファッションのショーを通じて感じるものはたくさんあると思う。好きなものもたくさんあるかもしれないし、ちょっとついていけないところもあるかもしれない。でも、「今ってこうなってるんだ」っていうのが見えるんじゃないかな。

 ――特設サイトでは全ブランドの発表を生配信します。

 僕も見ます。たくさん見る。本当に素敵な試みですよね。昔は選ばれた人しか見られなかったものが、家にいなくても、スマホ一つで、自分で選んでショーが見られちゃう。たくさんの人に見て欲しいですね。

丸の内に自分の店…「信じられないですよね」

 ――毎シーズン、新作を発表するデザイナーたちの気持ちは、香取さんも自分のブランドを運営することで分かることもあるのでは? ちょうどヤンチェオンテンバールは新店舗に移転しました。ファッションの超激戦区です。

 信じられないですよね。丸の内に自分の店を持つなんて。今はコロナ禍なので、予約してから店に入ってもらうなど、人数の制限をはじめ、色んな感染対策をしています。でも、本当は、ファッションを楽しみたい、っていうのはもちろん、たくさんの人に集ってもらいたい場所。洋服を買うだけではなく、色んなことを楽しんでほしい。

「新しい地図」も4周年。記事後半ではファンへの思いなどについても語ってくれました。

 祐真さんと2人で、よく「昔…

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