有休は「ポスト」に申請 業績アップの働き方改革、車部品の中小企業

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三浦惇平
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 従業員が休みやすい職場をつくる「働き方改革」に、愛知県安城市の自動車部品メーカーが取り組んでいる。従業員が互いに仕事をカバーできる体制をつくり、残業時間を大幅に削減。業績アップにもつながっている。

人手不足に悩むなか、自動車部品をつくる中小企業を継いだ3代目社長が、まず変えたのは従業員の「働き方」でした。従業員が休みやすい職場と、業績の向上を両立させた仕組みを紹介します。

 車部品会社「エーピーシィ」は、自動車のフロントグリルなどに取り付けられるプラスチック部品の加工を担う。トヨタ自動車をはじめとした完成車メーカーの「二次仕入れ先」にあたる。従業員約60人の中小企業だ。

 3代目の安藤寛高社長(36)は大手切削工具メーカーなどを経て、家業を継いだ。約6年前から経営に関わり始めたが、人手不足が深刻化。中小企業の人材確保が難しくなっていた。自社の現場では仕事量のばらつきが大きく、特定の従業員に負担が集中。従業員は「新しく入ってはすぐやめるの繰り返しだった」(安藤氏)ため、作業効率の低下も招いていた。「このままでは会社が存続できない」と危機感を抱き、働き方改革に乗り出した。

有休、上司への相談必要なし

 重視したのは「休みやすさ」だ。従業員の8割は女性で、子育てをしている人も多い。安藤氏は「育児や介護といったそれぞれの事情に応えられるようにしたかった」という。

 有給休暇取得への心理的なハ…

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