ウッドショック、住宅メーカー「あるものをくれ」 高騰にも産地複雑

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大野博 山田佳奈
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 国産木材の価格が高騰している。新型コロナウイルスによる「巣ごもり需要」で米国などで木材需要が増大した影響で、「ウッドショック」と呼ばれている。九州などの木材の産地では好況に沸くのかと思いきや、手放しで喜べない実情がある。住宅メーカーや家具業界も行方を注視している。

 スギ丸太生産量全国一の宮崎県で、今年4月にオープンした高原林産物流通センター(同県高原町)。1日あたり10トントラック20台分の丸太が運び込まれ、福岡ペイペイドームのグラウンドの約3倍もある広大な敷地いっぱいに山積みとなっている。山で伐採されたスギやヒノキの丸太が集まる「原木市場」だ。

 センターを運営する宮崎県森林組合連合会の深川隆行共販課長によると、「もとは外国材を使っていた住宅メーカーや流通業者から『とにかく、あるものをくれ』と引き合いも入る」という。「県内の原木市場は昨年までは地場の製材業者に卸すのがほとんどだった。様変わりです」

 宮崎県によると、県内の丸太の平均取引価格は、今年4月には1立方メートルあたり1万2千円だったが、5月は1万4300円。6月は1万6500円、7月は1万7300円とうなぎのぼり。全国的にも値上がりしている。

 ウッドショックの引き金を引…

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