来年度の雇用保険料率についての議論が8日、厚生労働省の審議会で始まった。コロナ禍対応による支出で財政が厳しくなっていて、保険料率をどれくらい引き上げるかが焦点。労使の委員がそろって引き上げに抵抗し税金をもっと投入するよう求めており、国側との綱引きになりそうだ。

 会社と従業員が分担して納める雇用保険料は例年、前年度の財政が厳しければ料率を引き上げ、余裕があれば引き下げる。

 コロナ禍前は比較的余裕があった。このため賃金に対する保険料率は現在、①失業者を支える「失業等給付事業」が本来の1・2%から0・6%に②休業者や転職者らを支える「雇用保険二事業」は本来の0・35%から0・30%に、それぞれ引き下げられている。

 だが現在は財政が大きく悪化。最大の要因は、コロナ禍でも休業手当を払って雇用を守った企業を支援する「雇用調整助成金」の支出が2020年春~21年9月に4・3兆円を超えたことだ。

 保険料の年間収入や過去の積立金だけではまかなえず、税金から1・1兆円が投入された。足もとでも支出のペースが落ちない。

 このため、厚労省はこの日の審議会で、引き下げの措置が適用されない状況になっていると説明した。

 だが「コロナ禍で企業が厳しく…

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