大学生がこども食堂オープン 地域交流の場に奮闘 広島・福山

佐藤英法
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 福山市立大学(広島県)の学生2人が子どもたちに食事を低価格で提供する「こども食堂」を広島県福山市住吉町に開いた。コロナ禍で人のつながりが希薄になる中、一般向けのメニューも用意し、子どもや学生、地域の人たちの交流の場にしようとしている。

 教育学部4年の打越悠真さん(25)と、丸西隼人さん(23)が7月下旬にオープンした店の名前は「こども食堂・学生食堂モナリザ」。「子どもたちを、ほほ笑んで見守りたい」と、名画「モナリザ」にちなんだ。

 昼食時に開く「こども食堂」のメニューは子どもが100円、保護者は300円。日替わりでカレーや野菜炒めをふるまってきた。食後は子どもたちの勉強の手助けもしていきたいという。父親とやって来た小学生の男子は「楽しく食事ができました」と喜んだという。

 2人は5年前に大学の学園祭の準備で知り合った。それぞれが休学し、海外で異文化に触れ、様々な人と出会う経験を積んだ。打越さんが昨年帰国すると、オンラインによる講義が続き、学生同士のつながりが弱まったと感じた。「同級生でも名前を知らない人がいる。かなしいですね」

 2人はつながりの場となる食堂を開こうと、昨年秋ごろから資金を集めた。打越さんは工場で夜勤に入り、丸西さんは引っ越しのアルバイトに励んだ。

 打越さんは今年に入り、福山市内の「こども食堂」が減っているとのニュースに触れた。母子家庭で育ち、母親が働きに出ると、独りで即席麺をすすった。「みんなと一緒に食事をする楽しさを感じてほしい」と、「こども食堂」としても運営することにした。

 学生にも気軽に立ち寄ってもらえるように、福山市立大とJR福山駅のほぼ中間地点、国道2号のすぐ近くに空き店舗を見つけた。すし店が移転した跡を、自分たちで改装した。

 丸西さんは「自炊で腕を磨いた」という「料理男子」。打越さんは本場インドで食べ歩いたカレーの味には自信がある。2人は「子どもや学生、地域の人たちが、食堂で楽しく過ごしてほしい」と願う。

 緊急事態宣言を受けて12日までは休業。13日以降、こども食堂は土曜日の正午~午後2時までの予定。学生食堂は正午~午後3時、午後6時~午前0時(ラストオーダー午後11時半)。火曜日と日曜日が定休。緊急事態宣言が続く場合は時短要請に沿って営業する。

 問い合わせは「モナリザ」(070・3165・8307)。(佐藤英法)

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