「あの時に似てる。やめるしか…」解散封じられた菅首相、誤算の先に
小泉浩樹 戸田政考 中田絢子
菅義偉首相が1日、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)前の衆院解散見送りを明言した。首相は前夜に「9月解散」も選択肢とする考えを二階俊博幹事長に伝えたばかりだが、党内から批判が噴き出し、事実上、解散権を封じられた。首相の求心力低下は必至で、総裁選前に「菅離れ」が進みかねない状況だ。
1日午前の首相官邸エントランスに現れた首相は、神妙な面持ちだった。
「いまは解散しないということでいいんですね」。記者団にそう念押しされると、「はい、いまの状況じゃ、できないということです」と、丁寧な口調で応じた。これまで温存してきた「衆院解散」カードを、首相が手放した瞬間だった。
前日まで、首相とその周辺の意気は盛んだった。
31日昼、国会内であった自民、公明両党の幹事長らによる幹部会合。関係者によると、公明側が衆院選の見通しについて「自民党総裁選をやって、任期満了(選挙)ですかね」と水を向けると、自民側が「総裁選前に解散ですよ」と応じたという。この後、関係者の間で、首相が9月17日告示の総裁選前の衆院解散を視野に入れているとの受け止めが広がった。
31日夜、首相は東京・赤坂…
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