保護司が足りない 再犯率増加、「みんなもがいている」

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伊藤和也

 罪を犯した人の立ち直りを支える保護司の不足が深刻だ。現在は全国に4万6千人余りいるが、定員を大きく割り込み、高齢化も進む。再犯者の割合が増加を続けて初犯とほぼ同数になるなか、担い手確保のための模索が続く。

 栃木県の小山市郊外に住む安藤良子さん(76)は、保護司として多くの人たちと向き合ってきた。獣医師の傍ら活動を始めて30年近く。その役割を「社会に戻るための準備のお手伝い」と語る。

立ち直り支えるボランティア

 保護司は130年余りの歴史があり、静岡県の実業家らが1888年に刑務所出所者を支援するため「保護委員」を県内で設けたのが始まりとされる。刑務所を仮出所するなどして保護観察中の人やその家族らと面接し、生活状況を把握して助言や指導をするほか、地元の学校での講演などを通じて地域の犯罪予防にも取り組んでいる。人格が優れているなどの条件を満たす人に法相が委嘱する非常勤の国家公務員だが、給与の支給がないボランティアだ。

 安藤さんが面接にあたり心がけたのは、本人に考えさせること。「これから自分の足で立って生きていかなきゃいけない人が相手だから、『こうしなさい』『それをやったらダメ』は私の中では禁句」

 数年前、担当していた男性が何年かぶりに突然、彼女を連れて自宅を訪ねてきて、「結婚することになりました」と報告してくれた。街中でばったり会った際に「元気にやってます」と声をかけられることもあるといい、「やりがいを感じる瞬間。自己満足だけど、少しは役に立ってるのかな、って」と安藤さん。

 「みんな立ち直ろうともがいている。一人じゃ無理だけど、時間もかかるかもしれないけど、そっと寄り添い続ける人がいればきっと大丈夫です」

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