接種から3カ月後「抗体」4分の1に 予防効果は持続か
新型コロナウイルスワクチンを接種した後の「抗体」の量について、3カ月後には平均値が2回目後と比べて4分の1程度に減っていたと、藤田医科大(愛知県豊明市)などの研究チームが発表した。ただ、2回接種による発症予防や重症化予防といった効果は続くとみられ、チームはさらに研究を進め、詳しく調べる。
チームが調べた抗体は「IgG抗体」と呼ばれるもの。新型コロナウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質にくっつき、細胞への感染を妨げると考えられている。
ファイザー製を接種した教職員ら男女200人余り(20~70代)を対象に、接種前、1回目の14日後、2回目の14日後、1回目から3カ月後の血液中の抗体の量を調べた。
1回目後はわずかな増加だったが、2回目後は大幅に増えていた。男性より女性の方が抗体量が多く、男性は年齢が高いほど量が少ない傾向があった。
3カ月後では、抗体量の平均値は2回目後に比べて4分の1程度に減っていた。男女とも同様の傾向だったという。2回目後に急増し、減少していく傾向は、国内外の先行研究と同様という。
抗体は減っているものの、実際の感染者が持った抗体量を上回っているとみられる。
土井洋平教授(感染症科)は「調べた抗体は免疫の一つの部分、一つの部品。しかも、減ったとはいえ高い状態にある。今の段階で必要なのは、2回の接種を多くの方に受けていただくこと」と説明する。
抗体が減った段階で感染した場合でも、再び抗体が増えたり、ほかの免疫の仕組みが働いたりするとみられる。海外の研究では、6カ月後も発症予防や重症化予防といった効果は保たれているという。
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