格差の都、東京はどこへ 食品砂漠では暮らせない

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聞き手・真鍋弘樹
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 東京五輪は終わったが、東京の問題は何も解決していない。タワーマンションが林立する一方で、生活に不安を抱える人も多い。この世界有数といえる「格差の都」は、どこに向かうのだろうか。非正規雇用で低所得の人々を「アンダークラス」と呼ぶなど、階級論の第一人者として知られる社会学者の橋本健二・早稲田大学教授に話を聞いた。

はしもと・けんじ 1959年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。著書に「アンダークラス2030」「中流崩壊」など。

 ――格差という視点で見た東京は、どんな都市でしょうか。

 「東京は、日本における所得格差が象徴的に表れている都市です。他の道府県でせいぜい2倍程度におさまる市区間の所得格差は、東京では約4倍にもなります。特筆すべきは、世界的に見て最も豊かな人たちと最も貧しい人たちが、わずか数キロの近距離に住んでいる点です」

 「その居住地域は、地形と関係しています。低地の下町には低所得者、都心や台地の山の手には富裕層が住む傾向がより鮮明になっている。同時に、東と西でも格差がはっきりと分かれています。住んでいる地域をみれば、社会の中で自分がどのポジションにいるのかがわかってしまう。欧米の都市によくみられる、所得による居住地域の住み分けは東京でも起きているのです」

記事後半では、東京で進む「分極化」がもたらす影響、高齢者が住み続けるために必要とされるお店について語っています。

 ――そうした東京の地域間格…

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