巨費投じたのに、なぜ失敗 米国がアフガン支援で報告書

有料記事アフガニスタン情勢

ワシントン=高野遼
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 「我々は何を学ぶべきか 20年間のアフガン復興からの教訓」。そう題した報告書を今月、米政府の特別監察官が公表した。計画の欠如や現地事情の理解不足――。米国が巨費を投じてきたアフガン支援が「失敗」した理由を厳しく指摘する言葉が並んでいる。

 独立した立場から米政府によるアフガン復興を監査する「アフガニスタン復興特別監察官(SIGAR)」が16日に発表した。2008年の活動開始以降、延べ760人の政治家や米兵らへの聞き取りを実施し、過去10回の報告書をまとめてきた。今回は、アフガン政権崩壊の直後となるこのタイミングで公表となった。

 米国が現地への介入を始めたのは、01年の米同時多発テロがきっかけだった。当初は国際テロ組織アルカイダ掃討が目的だったが、年を追うごとに現地政府の支援などへ目的が拡大した一方、「思うような成果は得られなかった」と評価した。過去20年で、アフガニスタンでは経済成長や健康、教育面での向上はみられた。だが「それが米国の投資に見合ったものか、米国撤退後も持続できるかが問題だ」と否定的な見方を示した。

 ■現地事情の理解不足…

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