「君を乗せる飛行機はない」 アフガン情勢、混乱の空港

有料記事アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンの反政府勢力タリバーンが首都カブールを占拠し、ガニ政権が崩壊してから一夜明けた16日、カブールの市民らは「国がどうなるのか予想できず、眠れなかった」「将来の夢が一瞬で奪われた」と不安を語った。

 現地の朝日新聞助手によると、カブール市内ではほとんどの店が閉まっていて、通りは閑散としている。15日昼には「タリバーンとの銃撃戦が始まった」とのうわさが飛び交い、逃げ出そうとする人々の車で大渋滞が発生していた。

 カブール中心部にある外国大使館で10年以上働いてきたというアフガニスタン人の50代の男性は、朝日新聞の電話取材に「外交官たちは、みな本国に帰っていった。外交官からは『申し訳ないが、君たちを乗せる飛行機がない』と告げられた」と振り返った。

 男性は「現地スタッフは置き去りにされ、ビザをもらえる見通しもなく、その後はなんの連絡もない」と憤った。そして、続けた。「ともに10年以上働いた仲間に対して、このような仕打ちをすることが許されるのだろうか。悲しくてならない」

 15日夜には米軍が展開するカブールの国際空港で、国外脱出を求める人々が飛行機の周りを取り囲み、米軍が威嚇発砲する騒ぎもあった。民間の飛行機の運航はほとんど止まり、再開のめどは立っていない。

「今まさに国が壊れた」 現地記者は悲痛

 首都と同じく、タリバーンの…

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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2021年8月16日18時2分 投稿
    【視点】

    アフガニスタンにおけるタリバーンの政権掌握の報道にまさかという思いでニュースにくぎ付けになりました。 2001年9月11日のアメリカの同時多発テロから20年、「テロとの戦い」を掲げたアメリカをはじめとする多国籍軍によるアフガニスタン攻

    …続きを読む