ワクチンの効果発表 抗体ができていない例も 和歌山県

西岡矩毅
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 接種が進む新型コロナワクチンの効果について、和歌山県は、これまでに2回接種した人の感染状況や高齢者施設の入居者に抗体ができたかどうかを調査し、12日に発表した。

 県が第5波に入ったとみている7月11日から8月10日までに発表された感染者568人のうち、25人がワクチンを2回接種していた。25人中無症状者は7人(28%)。人工呼吸器を装着するまで重症化した人はいないという。一方で、ワクチン未接種者は498人で、入院時に無症状の人は108人(約22%)だった。県は、ワクチン接種で発症や重症化のリスクが抑えられているとみている。

 介護福祉施設への調査では、ワクチンを2回接種した70代~100代の入居者90人、職員10人に抗体ができているか確認した。85歳以上の9人は抗体値が低く、1人は抗体が確認されなかった。県は、高齢者は免疫反応が弱いことが要因ではないかとみている。

 県福祉保健部の野尻孝子技監は「ワクチンには有効性があることが改めて確認できた」と可能な限り早いワクチン接種を呼びかけた。ただ、肺炎を発症したり、他者に感染させたりする例も確認されたといい、接種後の感染予防対策も引き続き求めている。

 県によるとワクチンの接種率は、65歳以上の高齢者(約31万人)で2回接種が約86%、1回接種が約88%。全体(約95万人)では1回接種が48%、2回接種が約38%だという。

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