注目度高い論文数、中国が初の首位 日本は10位に転落

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桜井林太郎
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 注目度が高い科学論文の数で、中国が米国を抜いて初めて首位となる一方、日本はインドに抜かれ、2桁台の世界10位に転落した。文部科学省が10日発表した「科学技術指標2021」などでわかった。日本は国内での研究力の低下に加え、国際共著の論文も欧米に比べて伸び悩んでいる。

 各国の科学力を分析している同省科学技術・学術政策研究所が、ほかの論文に引用された回数が各分野で上位10%に入る論文の数(トップ10%論文数)などを調べた。

 日本はいまでも研究者数(官民で68万人)と研究開発費(同18兆円)は米中に次ぐ世界3位、年間の論文総数でも4位を占める。

 だが、最新(2017~19年平均)のトップ10%論文数は、共著者の所属機関で国ごとの貢献度を考慮する計上法で3787本となり、首位となった中国の1割程度、主要7カ国(G7)最下位の10位にとどまった。2000年代半ばまでは4位を維持していたが、それ以降、下がり続けている。とりわけ環境・地球科学、工学、計算機・数学の分野で低かった。日本の研究力の低下の要因として、研究時間の減少や博士課程進学者数の減少などが指摘されている。

 また、注目度が高い論文は…

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    古谷浩一
    (朝日新聞論説委員=中国政治、日中)
    2021年8月11日17時26分 投稿
    【解説】

     中国の友人によると、中国発で注目度の高い論文数が増えているのには大きく言って3つの理由があるという。  1つ目はお金。重点大学の理工系の研究室ならば、日本とは比べようもないほどの予算をかけて研究ができると話す研究者は多い。中国共産党政権

    …続きを読む