麻薬密輸のカナダ人、中国で死刑確定 両国関係に影響か

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瀋陽=平井良和
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 中国・遼寧省の高級人民法院(高裁に相当)は10日、麻薬密輸の罪で死刑判決を受けて上訴したカナダ人の男性被告の公判を開き、被告の上訴を棄却した。死刑判決が確定することになり、カナダ当局による通信機器大手・華為技術ファーウェイ)幹部の逮捕をめぐって悪化した両国関係に影響を与えそうだ。

 ロバート・シェレンベルグ被告(39)は、2014年に遼寧省大連市の港から約222キロの覚醒剤をオーストラリアへ密輸しようとした罪などに問われ、「無関係だ」と無罪を主張していた。

 18年11月の一審判決では「従属的に関わった」との認定で懲役15年とされた。だが、被告の上訴で開かれた翌月の上級審は「新証拠が見つかった」として中級人民法院(地裁に相当)に審理を差し戻した。わずか16日後の差し戻し審で被告は一転して「主犯」とされ、死刑判決を受けた。

 華為幹部の逮捕があった18…

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    古谷浩一
    (朝日新聞論説委員=中国政治、日中)
    2021年8月11日10時54分 投稿
    【解説】

     記事中の最後に触れられているように、中国は二審制なのでこれで刑は確定することになるが、死刑については、中国の刑事訴訟法によって最高人民法院(最高裁に相当)の許可が必要だとされており、今後はこの判断が注視される。  アヘン戦争という屈辱の

    …続きを読む