「子どもに重圧かけないで」 南アフリカの波乗りの願い
遠田寛生
記憶をたどると、いつも「波の上」にいた。
両親の影響だ。父コリンさんは母国南アフリカで有名なサーファー。母イベットさんも波が好きだった。サーフィンは生活の一部。「始めたのはいつかと聞かれたら、生まれた時からかも」。東京オリンピック(五輪)サーフィン女子で銀メダルに輝いたビアンカ・ベイテンダグ(27)は笑う。
3きょうだいの真ん中。幼い頃はまだ女性サーファーが珍しい時代だったが、親に性別が理由で制限されたことは一度もない。兄や弟とボードを持って海に飛び出していった。
サーファー一家のDNAに、プロへと導かれた。2013年に世界プロサーフィン連盟(現ワールドサーフリーグ)の新人王を獲得。15年には同リーグで世界4位になった。
サーフィンが五輪に初めて正式採用された東京。ただ、出たかった。最高の舞台でライバルたちと競いたかった。
大きかった父親の存在
五輪のメダルは、亡くなった…